慶一は腰掛けにバスケットをおき、ぬれてまずいものがないか、なかを点検した。
「でも、ちょうど食べ終わるところで、よかったよ」
 慶一と令子が角をはさむかたちで坐り、高志は令子のとなりに腰を落ちつけた。
「ああ、円海山までいってたら、いまごろ、ひでえことになってたな」
 高志がナップザックからラジオを出し、ぬれていないことをたしかめ、スウィッチを入れると、グラス・ルーツの〈レッツ・リヴ・フォー・トゥデイ〉が飛びこんできた。
「これじゃあ、きょうはもう、プールはむりね」
 令子のがっかりした声に、慶一もため息をついた。
 せっかく、こうして令子と休日をすごせるのに、こうなってはサロンあたりで、またケンキョーイがよろこぶ男女交際をするしかない。
「不純異性交遊の反対って、なんだろう」
 あとさきを考えずに、慶一は考えていたことをそのまま口にした。
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