ことごとにつけて、あまりにねたみおいじめになるものですから、黒媛はたまりかねてとうとうお宮を逃げ出しておうちへ帰ってしまいました。
 そのとき天皇は、高殿にお上りになって、その黒媛の乗っている船が難波の港を出て行くのをご覧になりながら、

  かわいそうに、あそこに黒媛がかえって行く。
  あの沖に、たくさんの小船にまじって、あの女の船が出て行くよ。

とこういう意味のお歌をお歌いになりました。
 すると皇后は、そのことをお聞きになって、ひどく怒っておしまいになり、すぐに人をやって、黒媛をむりやりに船からひきおろさせて、はるかな吉備の国まで、わざと歩いておかえしになりました。
個別指導塾・家庭教師の塾長ブログ 中学・高校・大学受験|足立区・北区
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